婚礼写真の撮り方 ~第3章~ お支度・リハーサル

この章では、お支度・リハーサルに宿る「静けさと祝福の予兆」をどう写すかについて語ります。

撮影前の時間には、緊張と期待が交差し、言葉にならない感情が空間に漂います。そこには、祝福の始まりを告げる微細な気配があります。

私はその静けさの中にある“決意”と“祈り”を写すために、構図ではなく関係性に向き合ってきました。写真は、準備の記録ではなく、祝福の予兆を編む器であるべきだと考えています。

目次

お支度・リハーサル

お支度

レンズ Camera1:広角ズーム Camera2:標準ズーム・50~85mmの単焦点・100mmマクロ

露出設定 SS1/125 F2.5~4 ISO800~3200

お支度シーンは会場によって撮影不可の場合がありますので、事前に新郎新婦様かプランナーさんに確認します。

お支度後の次の流れはだいたい親族集合写真か挙式リハーサルの2つです。
撮影可能の時間は概ね挙式30分前~1時間前です。

定番のリップを塗るシーン、鏡越し、広角で下から煽り、アクセサリ、お二人が話してるシーン等を撮影します。

リハーサル

レンズ Camera1:広角ズーム Camera2:標準ズーム

露出設定 SS1/125 F2.8~5.6 ISO800~3200

リハーサルも会場によって撮影不可の場合があるので事前に確認します。

だいたいリハーサル中にリングピローが会場にあるので、イメージカットを撮ります。

挙式中はアイル(バージンロード)へ入ったり横切ったり出来ませんが、会場によってリハーサルでも禁止なので注意します。

可能であれば指輪交換のアップを撮ります。
会場によってリハーサルではグローブを着けたまま指輪交換をするふりだけだったり、しない場合もあります。
挙式本番で指輪交換のアップは撮り難いのでリハーサルで抑えておきたいところです。

リングボーイ・ガール、フラワーボーイ・ガールの演出がある場合はリハーサルで新郎新婦様とお子様とのお写真も可能であれば撮りましょう。
リングドッグというお二人の愛犬が結婚指輪を運んでくる場合もあります。

リハーサルに新郎新婦様のご両親が同席された場合はご両親の表情も撮影します。
ご両親の後部からご両親が新郎新婦様を見てるシーンも良いです。

チャペル式、人前式の場合は証人としてご友人等を立てられる場合があります。
その時はご証人様との写真も出来れば撮影しましょう。

神前式や仏前式はリハーサルはあまりありません。
リハーサルをする場合も本殿ではなく別室で行われるが多いです。
日本の神前式および仏前式の進行はキリスト教式の進行を手本につくられていますから指輪交換があります。
リハーサルで指輪交換がある場合はキリスト教式の場合と同じように本番で撮り難い指輪交換のアップはリハーサルで撮ります。

記録として広角で結婚式場全体のカットも撮影しましょう。

「静けさの中に宿る決意」

結婚式の朝。
まだゲストもいない静かな空間で、新郎新婦はそれぞれの時間を過ごします。
衣装に袖を通し、髪を整え、鏡に映る自分と向き合う——
その瞬間には、言葉にならない緊張と期待、そして深い決意が宿っています。

お支度とリハーサルの撮影は、まさに“物語の序章”。
ここで写すのは、準備そのものではなく、準備を通して現れる“心の動き”です。

支度部屋の空気を写す

支度部屋には、独特の静けさがあります。
その空気感を写すことで、写真に“時間の流れ”が生まれます。

  • 自然光が差し込む窓辺で、衣装に手を添える瞬間
  • メイク中の横顔に浮かぶ、少し緊張した表情
  • 鏡越しに見つめる自分に、ふと微笑む瞬間

これらは、演出ではなく“本当の気持ち”が現れる場面。
だからこそ、カメラはそっと寄り添うように構えます。

リハーサルの動きに宿る意味

式の流れを確認するリハーサル。
そこには、ふたりが「これから誓いを立てる」という実感が、少しずつ芽生えていきます。

  • バージンロードを歩く足取りに、覚悟がにじむ
  • 指輪交換の手の動きに、未来への想いが宿る
  • 司会者とのやりとりに、式の輪郭が立ち上がる

リハーサルは、単なる確認ではなく「心の準備」。
その過程を丁寧に写すことで、写真に深みが加わります。

撮るというより、見守る

お支度・リハーサルの撮影では、カメラマンが“空気を乱さない存在”であることが大切です。
声をかけるよりも、気配を消して見守る。
そうすることで、自然な表情や仕草が写真に残ります。

写真は、ふたりが「自分自身と向き合った時間」を記録するもの。
その静かな強さを、1枚1枚に込めていきます。

未来への伏線として

お支度とリハーサルの写真は、式の華やかさとは対照的に、
“内面の物語”を語るものです。

後にアルバムを開いたとき、
「このとき、どんな気持ちだった?」と語り合えるような——
そんな写真を残すことが、私の願いです。

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